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委員長になって            [High School Days]


 毎年 日本ダービーの頃に体育祭があった。 全く活躍するタイプではなかったけれど高2の体育祭、放送委員長となっていた僕は ”剣の舞” なんかが定番だったBGMを大胆に英米のロックミュージックに置き換えた。 クーデターのようなものだ。 

 本部席横のテントで、音源はオープンリールテープ。 リレー競技には、the Beatles ”Magical Mystery Tour” のタイトル曲。 騎馬戦には、ELP の ”タルカス” から A面最後のドラで始まる アクアタルカス。 棒倒しには、Led Zeppelin の ”移民の歌”。
 体育の先生はお膝元の事なので、始まって直ぐに「何だこれは?」と言って来たけれど、競技順に選んでテープに編集してあると言って押し通した。


 学校では毎日、下校放送というのを流していた。 もう生徒は残っていてはいけないという案内で、アナウンスも入ったテープを作りタイマー再生で流していた。 ”アルハンブラ” や ”引き潮” なんかが使われてて、薄暗い夕暮れ時に聴くのはなかなかだった。 

 是非 自分でも作りたいと思い、ビートルズ オンリーの下校放送を作った。 出だしは "A Hard Day's Night” のA面、ジャーンから4曲目までのワンフレーズずつごく短くつなげ、5曲目の And I Love Her から本編に入る。 この出だしの部分は後にディスコメドレーになったスターズオンと同じアイディアだ。 オープンリールの一時停止は音が軽くキュルついたが、イメージした通りのインパクトで満足した。

 続いて、Because, Yesterday, She's Leaving Home, Michelle,
Lucy In The Sky With Diamond, Sun King, Eleanor Rigby, You Never Give Me Your Money, Long And Winding Road, ときてラストは A Day In The Life 。 余韻のあとに 「これで本日の放送を全て終了します」 と女子のアナウンスで締めて、完。
 1972年当時、日本一の下校放送だったと、密かに自負している。


夕暮れに 校舎に響く  Sun King




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