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ツェッペリンのレコード            [Led Zeppelin]


 翌 1972年、ツェッペリン2度目の来日。 先述の秋元君はまた武道館ライブの隠し録りをしてきて、今度も行かなかった僕に聴かせてくれた。 前回に続いて、次のアルバムの曲がお披露目されていた。
 
 ツェッペリンもデビューから5枚目の この”聖なる館” (House Of The Holy) までがいい。 出だし一曲目、"The Song Remains the Same" から、スピード、キレ、グルーヴが尋常ではない。 このアルバムは全体的に演奏がタイトだ。 ジェイムスブラウン好きがうかがえる曲もある。

 僕にとって最も レッドツェッペリン の真髄を感じさせてくれる曲は、4枚目最後の曲、"When the Levee Breaks" 。 リリースされて間もなく駅前のスーパー1階にあったレコード屋で買い、冬の昼下がり日だまりの中で針を落とした。 A面最後の "Stairway to Heaven" は初来日後 アルバムが出る前から話題になっていて、隠し録りライブ音源からイントロをコピーしてる輩もいたぐらい、すでに大変な評価を与えられていた。 でも僕は "When the Levee Breaks" に何とも得体の知れない魅力を感じた。

 ツェッペリンの少なくとも71、2年の来日したころのステージは、さながらCSN&Yのようにステージの前に椅子を並べ、アコースティックギターの曲をまとめて演るパートがあったようだ。 ポスターではジョンポールジョーンズがマンドリンを弾いてるのを見た記憶がある。
 彼らはラウドでヘビーなサウンドの部分が語られる事が多いが、アコースティックサウンド、ブリティッシュ・トラディショナルフォークへの傾倒も強い。 3枚目のB面には、まるまるその想いが詰まっている。 "Tangerine" がいい。

 高校時代、毎朝おなじ電車のおなじ場所に乗って来る女の子がいた。 途中の駅で彼女は降りる。 無言で意識していた。 当時、都立の高校は軒並み制服を廃止して自由服になった時期だった。 センスのいい、どちらかと言えばアイビー系の私服で通学するその娘がある朝、ツェッペリンの2枚目をまるでジャケットをこちらに見せるように、袋に入れずに抱えて立っていた。 話も出来なかったけれど、勝手に "The Lemon Song" が彼女にダブる。

 LPアルバムのジャケットはたいてい見開きで、内ジャケと言うのだろうか開いた内側がまた楽しみだったが、ツェッペリンの1枚目は見開きになったものを見た事がない。 ジャケットの裏にはセピア系にレトロぼかしが入った4人の顔。 デビュー当時の彼らもまた、えらくかっこいい。 ジョンボーナムがまだ痩せていて、いい男だ。



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