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箱根アフロディーテ            [Pink Floyd]


  朝が早かったことがあったのだろうと思うが、前日から僕らは数人の同級生で小田原城近くの公園で野宿した。 目の前の校舎になぜか明かりが点いていたのでフェンス越しに見ていたら、窓際に逆光でシルエットだけの女子生徒が何人も重なり「先生ーっ、男のひとがー!」。  
 
 翌朝、高原といった感じの道を おおぜい人がゾロゾロと歩いてた。 入り口では試供品サイズの、ミニ・キンカンを受け取る。 少し高低があり ぬかるんでる場所を抜けて、メイン会場に入る。 
 1971年8月6日、”箱根アフロディーテ”初日である。

 第2 ステージ では延々と日本のロックが出てたらしいけれども、あまり興味が無かったのか、チラッとしか見なかった。
 メインステージでは第一部として朝早くから学生ビッグバンドやらもう色んな日本の人が出てて、1910フルーツガムカンパニー と バフィーセントメリー が外人代表だった。午後の4時くらいまでだったか。 それからの第二部 Pink Floyd までの休憩というかサウンドチェックはもう延々、それこそ語り草になる長さだった。 

 check, check,  one two, one two.   one two, one two. いま思えば、あれはディレイタイムの調整だった。 デジタルでコンマ何セコンドなんてないから、ビンソンのエコチェンを手動でコントロールしていたんだろう。 

 この Pink Floyd の箱根での素晴らしさは伝説となっている。 高校一年の僕にも強烈な印象を残した。 ちぎれて流れる雲がステージにかかり、僕らは神々しいひと時を共有した。


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